EVの命運握る電池産業、日本勢は「崖っぷち」 専門家が鳴らす警鐘
三浦惇平
電気自動車(EV)の中核部品となる電池の開発で、日本勢は存在感を発揮できるのか。電池産業に詳しい、名古屋大学の佐藤登客員教授に聞いた。
――EVの開発では、電池がカギを握ると言われています。
「電池はEVの車両価格の3割を占め、最も割合が大きいためです。EVの価格を下げるためには、電池の価格を下げないといけません」
――世界各国で、電池を開発、生産するための投資が進んでいます。
「中国は『自動車強国』、『電池強国』をめざして、補助金を出してきました。韓国も財閥系企業が潤沢な資金を持つうえ、国と産業界が両輪となって『電池最強国』を目標にしています。こうしたアジアの動きに危機感を抱き、欧州もここ数年は投資しています。米国も経済安全保障の観点から力を入れています」
電池会社の孤軍奮闘
――日本勢はどうですか。
「私が見る限り、日本は2010年ごろまで世界をリードしてきました。しかし、今は崖っぷちです。EV向けの大容量電池は、ハイブリッド車(HV)向けに比べても巨額の投資が必要です。しかし、こうした投資ができていないのです」
「韓国勢はあらゆる事業を手…
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