非正規労働者、闘う姿描く 「時の行路」堺で29・30日上映

田中章博
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 【大阪】自動車メーカーを突然解雇された非正規労働者が、労働争議や法廷で闘った実話を基にした映画「時の行路」の上映会が29、30の両日、堺市内で開かれる。主催者は「理不尽な派遣切りを訴えた映画。コロナ禍の今こそ見てほしい」と話す。

 家族を青森に残して静岡の自動車メーカーで働く派遣社員の男性が、リーマン・ショック(2008年)を機にした突然の雇い止めに抵抗し、労働組合に入って立ち向かう姿を描く。

 主人公を石黒賢さん、その妻を中山忍さんが演じる。監督は、「ハチ公物語」などの作品がある神山征二郎さんが務め、2020年に映画化された。原作は田島一さん。

 映画の背景はリーマン・ショックだが、飲食や宿泊業界への打撃が大きいコロナ禍では、女性の働き手への影響が大きい。上映会の共同呼びかけ人で非正規労働者の問題に詳しい村田浩治弁護士によると、派遣切りでなくてもシフトの減少で収入が減るなど、見えにくいかたちで働く権利が損なわれているという。

 上映会は、労組や有志でつくる「堺上映をすすめる会」が主催。村田さんは、「国の政策が家族の生活をもほんろうすることが映画からわかる。労働法制についても考えてもらいたい」と話す。

 29日は午前10時と午後1時半、堺市南区の市立栂(とが)文化会館ホールで、30日は午前10時半と午後1時半、同市堺区のフェニーチェ堺小ホールで上映。前売り1200円、当日1500円。

 問い合わせは、堺上映をすすめる会事務局(072・221・8384)へ。(田中章博)

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