新型コロナ警戒レベルを県が見直し 社会経済活性化めざす

新型コロナウイルス

佐藤仁彦 井上怜
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 秋田県は26日、新型コロナウイルス対策の県独自の感染警戒レベルを見直した。新たなレベルの設定は国の分類を準用し、従来「3」だった県内のレベルは新基準では「2」となった。県民への注意喚起は、レベルにとらわれず対象や地域を限るなど柔軟に運用し、感染症対策と社会経済活動の両立をめざす。

 県はこの日コロナ対策の本部会議を開いて、見直しの内容を公表した。変更の最大のポイントはレベル分けの基準を、これまでの新規感染者数から、病床使用率や重症者数など医療提供体制への負荷と逼迫(ひっぱく)状況を重視するように変えることだ。「1」~「5+」の6段階に分けていた現行のレベルは、国の分類と同じくレベル「0」~「4」の5段階に改める。

 県内は感染すれば重症化する恐れが強い高齢者の割合が高いことから、県は厳しいレベルを設け、感染抑止策を取ってきた。しかし、重症化リスクの高いデルタ株と違い、オミクロン株は感染者に占める重症者の割合が低い。人の流れや社会の活動を抑えたことによる経済活動の停滞も長期化しており、県は基準の見直しに踏み切った。県独自の感染警戒レベルは東北では秋田しか設けていないという。

 会見した佐竹敬久知事は、国が大型連休中の人流の制限をしない姿勢を見せている点を強調したうえで、「レベル2以下では、社会経済活動の制約を最低限にして、感染防止対策を徹底しながら、経済活動をある程度回していきたい」と述べた。

 例えば、新しいレベル3は、一般医療を相当程度制限しないとコロナへの医療対応ができない状況で、国に緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の検討を要請する段階。病床使用率50%超、重症病床使用率50%超を基準とする。

 レベル2は、新規陽性者が増加傾向でも、病床数を増やして医療が必要な人に対応できている状況。病床使用率20%超、重症者数3人以上を基準とする。

 県は医療への影響が心配される際は、必ずしもレベルにとらわれず、対象や地域を絞って、感染拡大の「注意報」や「警報」を出し、県民に注意喚起するとしている。

 この日の本部会議では、県内での新規感染者数が高止まりしていることを踏まえ、感染不安を感じる県民を対象にしたPCRなどの検査無料化事業を、5月末まで延長することも報告された。26日現在、無料検査を受けられるのは60カ所。県が特設サイト(https://pcr-akita.com/別ウインドウで開きます)に詳細を掲載している。佐藤仁彦

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 県独自の感染警戒レベルが見直されたことを受け、秋田県内ではイベントや部活動などの制約を緩和する動きが出始めている。

 秋田市の夏祭り「土崎港曳山(ひきやま)まつり」は、一昨年、昨年と2年連続で曳山行事が中止された。今年は28日に主催者の土崎神明社奉賛会の役員会で開催について判断する。会の方針で、警戒レベル「4」は中止、「3」は各町内の参加者にPCRや抗原検査など、厳しい対策を求めている。

 新たな県の基準で現状は「2」になった。2なら基本的な感染対策を取った上で曳山行事や神事を行う考えで、新基準導入は開催に向け追い風となる。土崎神明社の伊藤茂樹宮司は「安心して開催するうえで良い傾向だ。伝統を引き継ぐため、本来に近い形で実施できることが一番望ましい」と話した。

 県教育委員会はレベル変更を受け、29日から県立高校の部活動の制限を緩和する方針だ。1月のレベル3への引き上げに伴って禁止していた、県外にでかけたり、県外校を招いたりしての交流試合を認める。また、感染リスクが高いとしていた合宿など宿泊を伴う活動もできるようになる。各市町村教委にもこうした方針を伝え、判断の目安にしてもらう考えだ。(井上怜)

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