「日本一の顔」はっきり 歌舞伎俳優、初代鴈治郎の映像新たに発見
増田愛子
その立派な顔立ちから、「頰冠(かむ)りの中に日本一の顔」とうたわれた、歌舞伎俳優の初代中村鴈治郎(1860~1935)の舞台姿を映したフィルムが、新たに発見された。名優の芸を伝える貴重な資料だ。
初代鴈治郎は明治から昭和初期の、関西劇壇を代表するスター。現在の四代目鴈治郎さん、三代目中村扇雀さんの曽祖父にあたる。見つかった16ミリフィルムは長男の二代目林又一郎(1893~1966)が撮影、旧蔵していた51本だ。
記事の後半では、新たに「発掘」された貴重な動画の一部をご紹介しています。
国立映画アーカイブの大傍(だいぼう)正規主任研究員が2年前、古写真に強い神保町の古書店を訪れた際に、偶然「二代目林又一郎舞台風景撮影16ミリフィルム」として売られていたのを発見。個人で購入した上で専門家に調査を依頼し、詳細が分かった。
撮影時期は、芸の円熟期にあ…