スポーツの歴史的転換 中学部活動の休日の地域移行、25年度までに

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松本麻美中小路徹
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 スポーツ庁は26日、文部科学省で有識者による「運動部活動の地域移行に関する検討会議」を開き、改革の提言案を示した。公立中学校の休日の部活指導を民間スポーツ団体などの地域に委ねる「地域移行」を、2023~25年度の「改革集中期間」で進めることを掲げた。

 スポーツ庁は、少子化による廃部で子どもの選択肢が減ることや、教員の長時間労働などの課題に対応するため、運動部活動のあり方を抜本的に変えようと検討を重ねてきた。民間クラブと連携を進めたり、外部人材を部活動指導員として派遣したりする地域移行は、すでに一部で行われている。今後は3年間の「集中期間」を設け、全ての都道府県で休日の部活の移行をおおむね達成することを目指す。将来に向けて、平日活動の移行も推奨するとしている。

 指導者の確保が今後の課題となる。提言案には、大学生や高校生、保護者が指導者となることを想定した新たな資格の整備や、遠隔指導の可能性が盛り込まれた。指導を外部に委託した際に、費用を誰がどの程度負担するのかも課題だ。生徒側の負担が増えることが想定されており、経済的に苦しい家庭への支援が必要だが、具体策は明記されていない。

 提言案には、全国大会に意義があるかを議論する必要性や、複数の競技を経験できることが望ましいことなども記された。

 会議の座長を務める友添秀則・日本学校体育研究連合会長は「結局お金がないことには前に進まない。部活にとどまらない生涯スポーツという視点から論点を整理していく必要がある」と話した。今後は5月に関係団体のヒアリングを行い、同月内に提言を提出することをめざす。

     ◇

 部活動改革は、また一つ新たなフェーズに入った。

 18年には、スポーツ庁の有識者会議が「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」をつくった。この時は、生徒にも教員にも過剰な負荷がかかる「やり過ぎ」に釘を刺す形で、週2日以上の休養日の設定や活動時間の制限に焦点が当たった。

 今回は、少子化で学校単位のスポーツの場の確保が難しくなってきた現実を踏まえ、教員の負担軽減をさらに進める地域移行。

 これまでの部活動も、専門性の高い学校外の指導者が、顧問を務める教員の補助役として指導にあたるなど、地域との連携はあった。しかし、今度は部活動が学校外に出ていく構図になる。日本のスポーツが主に学校の中で発展してきた歴史を踏まえると、大転換が始まると言える。

 部活動改革は、教員の多忙化解消と生徒の有意義な活動に向けて環境を整えることが両軸だ。

 その意味で、今回の提言は、部活動を巡って現場で起こっている課題を、きめ細かく拾い上げている点で評価できる。

 例えば、トーナメントが主流…

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    内田良
    (名古屋大学准教授・教育社会学)
    2022年4月27日10時1分 投稿
    【解説】

    部活動の見直しの動きはこれまでもつづいてきましたが、今回の地域移行は記事タイトルにあるとおり「歴史的転換」です。 今回の動きの発端は、2016年頃からツイッター上で教員が部活動負担の重さを訴え始めたところにさかのぼります。これまでも現場で