「金銭返還されず精神的苦痛」女児自殺いじめ認定 第三者委が報告書

小若理恵
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 大阪市立小学校の5年生の女児(当時11)が2019年9月に自殺したことをめぐり、事実関係を調べていた大阪市の第三者委員会は27日、同級生との間で金銭問題や「死ね」と言われるなどのいじめがあったと認定する報告書を公表した。自殺に至るまでの経過について「気づく機会があったにもかかわらず、何もできていなかった」などと学校の対応を批判した。

 女児は同年9月24日、大阪市内の自宅で亡くなった。直前に「3000円かえして」「気づいてほしかった」「学校で死ねって言われた」などと書いた手紙を残していた。遺族の求めにより、市の第三者委員会が20年12月から自殺の背景や原因を調べていた。

 報告書によると、同級生への聞き取り調査などから、女児が亡くなる直前の19年7月~9月、同級生の男児数人と書店に行き、ゲームをするためにお金を貸していたことが判明。「友人に貸した金銭の返還を受けられなかったことは、『いじめ』に該当する」と認定した。

 詳しい日時や状況の特定には至らなかったものの、女児が同級生から「死ね」と言われたことや、性的な言葉をかけられていたことも「いじめ」と認めた。

 教員への聞き取りや資料の分析から、女児が3、4年生ごろから「学校が楽しくない」と思うようになり、5年生になって「学校が嫌い」「死にたい」という思いを強めた経過を考慮。「その上にいじめと認定した苦痛が加わり、自死の実行に至ったと判断するのが適切」と、結論づけた。

 事件後の学校の対応については、同級生へのアンケートや聞き取りから、学校側が遺族に「いじめがあったと確認する根拠がない」と伝えたことに触れ、「事実を明らかにして、いじめが認められることを表明すべきだった」と批判。「学校生活への負担感や嫌悪感に気づく機会が何度もあったにもかかわらず、教職員が気づかず、何もできていなかったことが重大な問題」と厳しく追及した。

 市教委に対しても「市いじめ対策基本方針は、詳細が確定しなければいじめ事実が認定できないとはしていない」として、いじめや自殺の問題に専従する指導主事を置くことなどの改善を求めた。

 報告書を受け取った母親は朝日新聞の取材に応じ、「事実を矮小(わいしょう)化しようとした学校と市教委に不信感があったが、娘の最後の声が届いていじめが認められたことはよかった」と話した。「子どもたちは悪ふざけだったかもしれないが、ただせる機会が何度もあったのに生かせなかったのは大人の責任。このできごとを多くの人に知ってもらい、もっと子どもたちと話そうと思うきっかけにしてほしい」と訴えた。(小若理恵)

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