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不正感知器、原発で使用 日本フェンオールが「原子力部」で営業強化

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伊沢健司、土居新平
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 消防法が義務づける品質の検定で不正を繰り返し、合格を取り消された日本フェンオール(東京都)の火災感知設備の約1万台のうち、6割が原子力発電所に納められていた。背景には、原子力規制委員会が火災対策の強化を求め感知器の需要が高まったことがある。フェンオールや電力会社側は性能に問題ないとしつつも、全台を交換する方針だ。

 不正品は熱に反応する火災感知器4869台と、火災信号を通信する中継器4764台の計9633台。規制委などによると東京電力柏崎刈羽原発で計3595台、福島第一原発で計430台、九州電力玄海原発で計2030台、日本原子力研究開発機構大洗研究所で18台が設置されている。

 原発の火災対策をめぐっては、東京電力福島第一原発の事故を受け、2013年7月に施行された新規制基準で取り組みが強化された。消防法に基づいて以前から設置されていた煙感知器に加え、熱感知器なども組み合わせて、いち早く火災を見つけ消火することが電力事業者に求められた。

 フェンオールの不正品がつくられたのは13年9月~20年10月。同社の担当者は「新規制基準が新たな需要につながった。売り上げにもある程度は寄与した」と認める。20年1月には「原子力部」を新設していた。

 フェンオールは火災感知器業界の中では中堅とされる。業界関係者は「大手との競争で生き残るためには原発など特別なところに食い込んでいく必要があったのではないか」と話す。

 日本フェンオール 1961年に創業し、東証スタンダード市場に上場している。本社は東京、工場は長野にある。防災設備のほか温度センサーや医療機器も手がける。火災感知器などの不正を受け、2021年12月期に4億5900万円の特別損失を計上した。同期の売上高は123億円、21年12月末の従業員数は261人。

ラベル貼り替え偽装

 フェンオールによると、不正…

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