「まるでルーレット」受けられる支援は運次第 選択肢ない子どもたち

有料会員記事こぼれ落ちる子どもたち

久永隆一
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 「就職か進学。選択肢があって、迷えるのが理想だと思います」

 関東地方の女性(20)はこの春、大学1年生になった。最近は大学のリポート作成に大忙しだ。

 部屋の棚にはドライフラワーやサボテンが飾ってある。本棚からお気に入りの一冊として取り出したのは「児童養護とは何か」。女性の夢は、いつか子どものための福祉施設で働くことだ。

 女性が今暮らすのは、自立援助ホーム。何らかの理由で家庭や施設で暮らすことができなくなった15歳から22歳までの子ども、若者が働きながら社会で生きる準備をしていく場所だ。

いつも暴力があった

 支援者を志す女性は、これまで当事者だった。

 女性が育った家庭には暴力があった。物心ついた時には父が母を殴っていた。面前DV。心理的虐待に分類される。父の暴力は女性にも向く。ささいなことで手を上げた。母親は女性の存在を否定するような暴言を浴びせた。

 中学2年の9月。女性は、家庭環境に問題を抱える子らが暮らす児童自立支援施設へ。里親のもとをへて17歳で今の自立援助ホームに来た。

 厚生労働省によると、虐待や貧困、親との死別といった事情がある子どもたちのうち、施設で暮らす子は約4万2千人。2020年5月時点のデータによると、児童養護施設の子どもの場合、大学・短大などへの進学率は17・8%。すべての高卒者の52・7%に対して3分の1にとどまる。

 各地の施設は、社会で生きていく準備を手助けしようと取り組んでいる。

支えてくれる人たち

 女性がいる自立援助ホームの…

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こぼれ落ちる子どもたち

こぼれ落ちる子どもたち

虐待、貧困、性被害……。大人がつくった支援制度からこぼれ落ち、困難に直面している子どもたちがいます。今の国会では、「こども家庭庁」の設置法案などの審議が始まり、子ども政策の転換点を迎えます。今後、子どもたちに救いの手が届くのでしょうか。リアルな声とともに伝えます。[記事一覧へ]