第87回ウクライナ侵攻で政策転換 ドイツ戦後平和主義、日本にある誤解

有料会員記事ウクライナ情勢

聞き手・牧野愛博
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 ドイツのショルツ首相が28日に来日します。ロシアのウクライナ侵攻を受け、ドイツは国防費を国内総生産(GDP)比2%以上に引き上げる方針を決めました。防衛省防衛研究所の庄司潤一郎主任研究官は、日本にはドイツの戦後平和主義への誤解があると指摘します。

 ――ドイツが安保政策を転換しました。

 国防費の2%以上への引き上げは、ドイツ世論の過半数が支持しています。2011年に停止した徴兵制の復活、ロシアからの石油輸入の禁止、ウクライナへの武器供与も、それぞれ賛成が反対を上回っています。

 背景には、「絶滅戦争」という凄惨(せいさん)な地上戦を経験した独ソ戦の記憶、ロシアに対する恐怖があります。また、ドイツはソ連崩壊で「歴史上初めて欧州に敵がいなくなった」として大幅な軍事力削減に乗り出しました。ところが、ロシアのウクライナ侵攻は、第2次世界大戦後、身近な場所で起きた初めての大きな戦争でした。

 連立政権に参加している緑の党は人権問題に特に関心が強く、ウクライナ・ブチャなどで起きた市民の殺害に強く反発しています。

 ショルツ政権は左右から強硬な対応を求められ、むしろ経済などの国益を考えながら、難しいかじ取りを迫られているというのが実情です。

 ――日本では、今回のドイツの新方針を「戦後平和主義からの転換だ」と評価する人もいます。

 それは誤解でしょう。ドイツ…

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