関電は750億円の赤字見通し 電力各社、ウクライナ侵攻などで苦境
四国電力の2022年3月期決算は、売上高が前年比10%減の6419億円、純損益が62億円の赤字(前年は29億円の黒字)だった。燃料価格の高騰に加え、伊方原発3号機の再稼働がトラブルで遅れたことも響いたという。
北陸電力も売上高が4%減の6137億円、純損益は68億円の赤字(同68億円の黒字)だった。連結決算の開始以降、最大の赤字という。記者会見した松田光司社長は、「燃料価格がこれまでにない水準で高騰している。非常時だ」と述べ、社内に緊急経営対策本部を立ち上げて対応にあたると説明した。
四国電力、北陸電力の赤字転落はそれぞれ8年ぶりと4年ぶり。両社ともに、燃料価格の先行きが一層不透明だとして、来年の業績見通しを未定とした。
関西電力は売上高7%減の2兆8518億円、純利益21%減の858億円と黒字を確保した。ただ23年3月期は、燃料費の高止まりと原発利用率の低下を見込み、純損益が750億円の赤字になると予想した。赤字になれば8年ぶり。森本孝社長は会見で、ウクライナ情勢や円安などを挙げ「あらゆる面で燃料価格の高騰の影響を受ける年になる」と警戒感を示した。
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