お役所文書、読みづらすぎ問題 「活字オタク」がこんなに変えた
鈴木春香
役所の文書はわかりにくい。そんな「常識」を打ち破ろうと、神戸市が文書改革の専門職を昨年つくった。民間から採用した「文書改革専門官」は市民向けの公文書に次々とメスを入れ、この1年で添削した文書は100を超える。
ある若手職員が抱いた疑念
26歳の若林祐登さんは、市福祉局の国保年金医療課職員。広報に載せる「新型コロナウイルスの影響による保険料減免制度」のお知らせを担当している。
この制度は、コロナ禍で収入が大きく減った場合などに、保険料の支払いを減らしたり免除したりする仕組みだが、適用を受けるための条件は細かい。
前年に作られたお知らせは、狭い枠の中に言葉がぎっしり詰め込まれていた。
担当の自分が見てもわかりやすいとは言いがたい。「初めて見る人に理解してもらえるだろうか」と疑念を抱いた。
そこで昨年秋、文書改革専門官の松本淳彦さん(56)に相談した。
細かい内容伝えるよりも
まず、松本さんに問われたのは「このお知らせは何をしたいのか」だ。
指摘を受けて、若林さんは思い至った。
松本さんの指摘を受けて、若林さんが担当する「お知らせ」はどう変わったのか。記事の後半で画像でご覧いただけます。改善策は、レイアウトだけでなく文言そのものにも向けられます。
「細かい内容を伝えるよりも…