女子大生が「別人」に 「選手の数だけ演武がある」武術太極拳の世界

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山口裕起
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 2日前に喫茶店でインタビューをした時の、おっとりとした口調も、愛くるしい笑顔もそこにはなかった。

 別人と言ってよかった。

 「髪を結んで、化粧をすると、スイッチがはいるんですよ」

 きりっとした鋭い眼光で、拳を握ったり、足を蹴り上げたり。ふうっと息を吸って、はっと吐く。

 4月下旬の昼下がり。大阪市西淀川区にある縦8メートル、横14メートルの道場は、足音と細かい息づかいで、緊張感が張り詰めていた。

 神戸市外大4年の貴田菜ノ花(なのは)(22)が取り組むのは中国武術をルーツにもつ武術太極拳だ。

 パンやクッキーを焼くのが趣味で、最近ホームベーカリーを買ったという女子大生は、6月に中国で開かれる大学生の世界大会に向け、汗を流していた。

 武術太極拳はカンフーの動きを「演武」にしたもので、形の正確さや表現力などを競う採点競技だ。

 日本のトップ選手の貴田は「フィギュアスケートと体操と空手があわさったようなスポーツです」とかみ砕いて説明する。

 どのようにしてこの競技と出会い、なぜここまで打ち込んでいるのか。

記者が訪れた道場には、子供たちの姿もありました。「子供から大人まで、幅広い年代で楽しめるスポーツです」と力を込める貴田さん。この競技への愛着を語り出すと、止まりません

 出会いは運命的だった…

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