進む工事で野鳥の保全どうなる 大阪万博予定地の人工島「夢洲」
神田明美
2025年の大阪・関西万博会場予定地の人工島「夢洲(ゆめしま)」で進む地盤改良工事によって、湿地や砂利に生息する絶滅危惧種の野鳥などのすみかが脅かされている。保全策を求めてNGOから大阪市への要望書が相次いで出されたほか、住民監査請求もなされた。
大阪湾にある夢洲は、1977年から埋め立てられてできた390ヘクタールの人工島。時間とともにできた、ヨシ原や湿地、砂利の裸地に、野鳥や植物による生態系が形作られてきた。野鳥約100種が確認され、絶滅危惧種のセイタカシギやコアジサシの繁殖の様子も観察されている。
大阪府が選出した「生物多様性ホットスポット」で最も高い多様性があるとされ、府内に16カ所しかないAランクの一つ。「大阪市生物多様性戦略」では、夢洲も事例として挙げて「市内の貴重な自然環境保全に取り組む」としている。
だが、万博施設の建設に向け…