あと100本 御巣鷹の2代目山守が桜の苗木を育て石山寺へ贈る思い

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川村さくら
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 日航機墜落事故があった御巣鷹の尾根群馬県上野村)では、29日に山開きが行われる。2代目管理人の黒沢完一さん(79)は毎夏の慰霊登山に向けて登山道や山小屋の整備をしているが、仕事はそれだけにとどまらない。

 21日、地元の上野小学校。「山全体に階段があって、これを管理するのが大変なんです」。6年生10人は、尾根のつくりや作業について語る黒沢さんの言葉を、メモをびっしり取って聴き入っていた。

 後半には、子どもたちが自由に質問する時間が設けられた。

 「どうして管理人になったんですか」

 「役場から『少しだけ』って頼まれて、はじめは嫌だったけど道を整備して、歩きやすくなったとご遺族から喜ばれるとうれしくて続けたんだ」

 「どういう思いで管理していますか」

 「こうすれば登る人が登りやすいだろうと考えています。私も年寄りだから、自分が登りやすい階段をつくればみんな登りやすいんだよ」

 黒沢さんは質問にすらすらと答え、子どもたちは「もう一回教えてください」などと反応しながら、積極的に話を聞いていた。

 上野小の児童らは1985年の事故以来、毎年マリーゴールドを育てて、夏に村内の慰霊の園へ贈っている。

 東京からの山村留学で、今月から村に住んでいる本多鈴さん(12)は「亡くなった人のためだけじゃなく、周りに(事故を)伝えるためにマリーゴールドを育てたい。下の学年の子たちにも、今日聞いた話を伝えます」と話した。

 講演を企画した梯直人(かけはしなおひと)校長(57)は「子どもたちに花を育てるだけでなく、なぜ花を育てるのか、その意味を考えてほしかった。完一さんと子どもたちがつながったことに意味がある」。今後は慰霊登山なども計画する意向という。

 黒沢さんはこうした講演や、登山者のガイドを務めて事故を知らない人たちへの活動とともに、事故の当事者にも寄り添い続けている。

 黒沢さんの自宅の畑では毎年…

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