第19回経済安保法案に抜け穴? 「基幹インフラ審査」に疑問の声も

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安倍龍太郎
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 岸田政権が推進する経済安全保障推進法案の国会審議が大詰めを迎えている。経済界が企業の負担増につながるとして懸念するのが、基幹インフラへのサイバー攻撃に備えた国による事前審査だ。審査の対象ではない取引先からネットワークを通じて侵入するウイルス感染などのリスクがつきまとい、専門家からは実効性を疑問視する声もあがる。

 法案を審議する参院内閣委員会は4月28日、岸田文雄首相が出席して締めくくり質疑を行った。与野党は5月10日の同委員会で採決することで合意。与党側は翌11日の参院本会議で採決し、成立させたい考えだ。

 事前審査の対象は、電気やガス、航空、鉄道など14業種の大手インフラ企業だ。企業側は、事業の屋台骨を担う重要システム「特定重要設備」を導入する際、設備の部品、委託先などを記した「導入計画書」の提出が義務づけられる。

企業価値が上がるだろう」

 国はサイバー攻撃に使われるおそれがある外国製品が使用されていないかなどを審査し、結果によっては勧告、命令を出す。従わない場合は最大で懲役2年の罰則が科される。

 審査を通じて、中核をなすシステムが安全という国の「お墨付き」を得ることになるため、「金融業界などにとって企業価値が上がるだろう」(有識者会議の参加者)との声がある。

 一方で、サイバー対策を手がける専門家からは「十分な対策とは言えない」との指摘が出ている。

 仮に審査対象となった企業の…

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    曽我豪
    (朝日新聞編集委員=政党政治、教育改革)
    2022年4月30日14時5分 投稿

    【視点】法律は成立すればそれで終わりではありません。戦前の治安維持法をはじめ、改悪されたり問題点が放置された例は数多くあります。衆院が下した意思を改め直す良識の府である参院の審議で、問題点を洗い直しておく作業は絶対に必要です。成立が見えたからこそ、

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