「平和主義変えれば安心」か、ウクライナ危機で憲法は 木村草太さん

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聞き手・長富由希子
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 ロシアによるウクライナ軍事侵攻などで、日本の安全保障環境が厳しくなっているとして、政府や自民党は、日本を攻撃してくる外国の基地をたたく「反撃能力」の検討を進めています。自民党内では、憲法への自衛隊の明記を求める主張も出ています。

 「戦争放棄」や「戦力の不保持」を明記した憲法9条との関係はどう考えればいいのか。東京都立大学の木村草太教授(憲法学)に聞きました。

 ――ロシアのウクライナ侵攻を受け、日本が外国から攻められた場合の防衛を心配する人も出てきています。

 憲法9条は、原則としてあらゆる武力行使を禁じています。しかし、「急迫不正の侵害があった場合の防衛はできる」と政府は解釈しています。日本への武力攻撃があれば、自衛隊が防衛をできるわけです。

 ――安倍晋三元首相は4月の集会で、憲法改正で自衛隊を明記したいとの考えを改めて示し、「自衛隊の違憲論争に終止符を打つことが政治家の責任だ」と述べました。

 『違憲論争に終止符を打つ』という安倍元首相の主張は、『自衛隊には、憲法を改正しないと説得しきれないような強い違憲の疑いがある』ということを前提にしているように見えます。しかし、自衛隊の存在自体が違憲だと考える国民は実際には多くない。このため、安倍元首相の主張は、国民にあまり浸透しないのだと思います。

 ――日本を攻撃する外国の基地をたたく「反撃能力」を政府や自民党が検討しています。一般的には「敵基地攻撃能力」と呼ばれてきました。外国領内での武力行使になる可能性がありますが、合憲なのでしょうか?

 政府は1956年の鳩山一郎

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    副島英樹
    (朝日新聞編集委員=核問題、国際関係)
    2022年5月3日16時1分 投稿
    【視点】

    ロシアのウクライナ侵攻という現実の中で、日本国憲法第9条の根本理念を見つめ直すことは非常に重要なことだと思います。軍事の論理が声高に語られる昨今の情勢ですが、木村教授のような冷静な視線こそ、いま求められているのではないでしょうか。なかでも、

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    前田直人
    (朝日新聞コンテンツ戦略ディレクター)
    2022年5月2日22時28分 投稿
    【視点】

    ウクライナ侵攻を踏まえて憲法9条の是非を論じるのはかなり難しく、何か語ろうとしても飛躍になってしまう感じがしています。いまの安全保障の考え方は、9条の制約に向き合う中で国会で激しい論戦がたたかわされ、答弁なども含めて筋道を担保してきた歴史の