10時間練習でも、基礎固め中でも 「五輪金メダル」級の瀬戸大也

藤木健
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 まさに金の泳ぎ――。瀬戸大也(TEAM DAIYA)が、底しれぬ力を見せつけた。

 28日にあった競泳日本選手権(横浜国際プール)第1日の男子400メートル個人メドレーを、4分9秒07で制した。

 「これ、オリンピック(五輪)で金がとれるタイムですよね」

 その通り。東京五輪でこの種目を制した米選手の記録は、4分9秒42だった。

 このタイムを、万全ではないのに出してしまうのだから恐れ入る。昨夏の東京五輪でメダル無しに終わった瀬戸は、東海大の加藤健志監督に教えを請うて出直したばかり。五輪金メダリストも育てたこのコーチは、猛練習で知られる。

 練習はいま、多いときで1日10時間に達する。レースに向けては練習強度を落とすのが通例だが、その調整も今回はしていない。

 「基礎練習だけ。それでも、ヒイヒイ言いながらやっているんですけど」

 今大会では「4分10秒を切れれば」と話してきた。そう思えば順調に見えるものの、この男の見据える先がまた底知れない。

 レース直前、加藤監督に目標を尋ねられ、「4分8秒行きます!」と返して驚かせた。だから、「詰めの甘さがあった」というのがレース後の自己評価だ。

 6月の世界選手権も、特別な調整はせずに臨むつもりという。「小細工なしで」。すべては、2024年パリ五輪にピークをもってくるために。

 今年を「準備の年」と位置づけ、基礎固め、体力づくりを続ける。「まだ強化段階に入っていないことだけが怖い」と、苦笑いの瀬戸。とはいえ手応え十分だ。

 「苦しいところでも、最大限のパフォーマンスを出せている」

 大会2日目は200メートル自由形、3日目は400メートル自由形に出場予定だ。「得意じゃない種目で、予選がドキドキ」といたずらっぽく言う表情に、ワクワク感がにじんでいた。藤木健