政策の正常化のチャンス逃した日銀 物価目標の達成見えても緩和維持

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編集委員・原真人
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 円高忌避シンドロームともいえるほど円安志向が強かった日本社会で、かつてこれほど円安への警戒感が高まったことがあっただろうか。世論にあえて逆らうかのような日本銀行の政策決定と、異論に聞く耳をもたないかのような黒田東彦総裁の記者会見があった28日、外国為替市場では猛烈な円安ドル高が進んだ。

 黒田総裁が「日本経済にプラス」と言い続ける円安が、気がつけばまるで「日本売り」のような様相である。今後、海外ヘッジファンドなどの投機資金が円や日本国債の売りに回る事態にも注意が必要かもしれない。

 長らく先送りを重ねてきた政府の財政悪化問題、それを国債の買い支えで延命させている日銀の財政ファイナンス問題。これらの日本の負の構造問題がいよいよごまかしきれない段階にきたのではなかろうか。

 日本銀行は28日の金融政策

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    服部倫卓
    (ロシアNIS経済研究所所長)
    2022年4月29日10時46分 投稿
    【視点】

    日銀は今般発表したリポートで、2022年度の物価上昇率見通しを従来の1.1%から1.9%に引き上げた。しかし、物価上昇は「一時的」との立場が示され、緩和政策を継続する構えである。 1.9%という数字に、いかにも作為的なニュアンスを感じる。