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「無理感じる」「病床確保に有効」高齢者施設でのコロナ療養

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関口佳代子、編集委員・辻外記子、森本美紀、石川春菜
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「町中華でフランス料理、と言われても」

 「町中華でフランス料理を作ってくれ、と言われてもすぐできない」

 高齢者施設の感染者を高度な医療技術のない施設で療養させる難しさを、東京都医師会の平川博之副会長はそう表現する。

 都は1月、高齢者の入院を抑えることなどを目的に施設への往診態勢を広げる方針を打ち出した。平川氏は都内で介護老人保健施設を運営する医療法人社団の理事長でもあり、つぶさに状況を見てきた。

 痛感したのは施設と医療機関との間にある設備、運営面での大きな違いだ。感染者を隔離するためのゾーニングも都内施設ではスペースの関係などから難しい。また、医療職でない施設職員が慣れない感染症に気づかいつつ入所者対応を長期間続けることにも無理を感じた。「一番恐れているのは職員が(辞めて施設から)抜けていくこと」。施設にしわ寄せが行きすぎれば、施設の運営そのものが立ちゆかなくなる、との懸念があったという。

 高齢者施設も、施設内療養への不安が強い。

 東京都多摩市にある特別養護老人ホーム「白楽荘」では2月、利用者29人が陽性になるクラスター(感染者集団)が発生。全員が施設内で療養し、落ち着くまで1カ月ほどかかった。

救える命が救えない不安

 鶴岡哲也施設長(49)は、重症化のリスクがある高齢者は入院したほうが本人も周囲も安心、と考える。施設には病院のような治療設備はなく、「施設内療養は救える命が救えない不安がつきまとう」。

 施設では、同じフロアに感染…

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