トラの非常事態に山本泰寛あり 今季初の3連勝を生んだ四回の5球

阪神タイガース

高橋健人
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 (28日、阪神タイガース3―2中日ドラゴンズ)

 2点を追う四回、鮮やかな速攻だった。阪神打線がわずか5球で同点に追いついたのだ。

 攻略の口火を切ったのはクリーンアップだった。中野拓夢が2球目、佐藤輝明糸井嘉男がそれぞれ1球目の甘い球を逃さず、3連打で1点差に迫った。

 マウンドには中日の左腕大野雄大。阪神にとっては天敵で、昨季までの3シーズンは対戦防御率1点台に抑えられてきた。12日の今季初対戦でも7回1失点に封じられた。「追い込まれ、打席で全ての球種を考えないといけないのは難しい」とは北川博敏打撃コーチ。狙い球を絞り、早めに仕掛ける。チームで徹底し、束になって襲いかかった。

 さらに、大野雄を決定的にぐらつかせたのが、なお無死一、三塁で打席に入った山本泰寛だった。

 「どんなサインが来ても対応できるようなイメージはしていた」。ベンチの選択はスクイズだった。山本は初球の141キロ直球の勢いを殺して一塁線へ転がし、三塁走者が同点の生還。自らも一塁に生きるバント安打になった。その後、相手の野選で勝ち越した。

 大山悠輔が24日のヤクルト戦で左足を負傷し、大事を取ってベンチを温めている。チームの非常事態。そんな時こそ内野ならどこでも守れる山本の出番だ。2試合連続で「6番・一塁」のスタメン。結果を出した。

 貧打の打線に少しずつしぶとさが生まれ、今季初の3連勝。ここから巻き返しだ。(高橋健人)

 矢野監督(神) 9日以来の先発の秋山が今季初勝利。「本当にしっかり投げてくれたと思います」

 山本(神) 四回無死一、三塁から、同点のバント適時打。「うまく転がってくれた」

 立浪監督(中) 1点を追う九回1死三塁から2者連続で見逃し三振。「惜しいところまでいったが見逃し三振、見逃し三振。振らないと始まらない」

 石川昂(中) 愛知・東邦高では2019年春の選抜大会で優勝。思い出の甲子園で先制2ラン。「良い感覚で打つことができました」