侵攻が決定づけた国際経済秩序の転換 相互依存のジレンマにどう対処

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記者解説 経済部・青山直篤

 ロシアのウクライナ侵攻後、米国は欧州や日本と連携し、強力な金融制裁や輸出規制を進めた。世界11位の国内総生産(GDP)を持つロシアを金融や貿易のネットワークから切り離そうとする試みは、国際経済秩序が新たな局面に入ったことを示す。

 戦争は、もともとコロナ禍で世界の人、物資、資金の円滑な流れが脅かされていたさなかに起きた。国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ専務理事は「地政学的・経済的ブロックへと世界が分裂していく恐れ」に警鐘を鳴らす。戦争当事国のロシアとウクライナはエネルギー資源や食糧の主要産地であり、供給不安の恐れがインフレを加速させている。IMFは今年、主要国の物価上昇率を前年比5・7%と見込む。38年ぶりの高さだ。

最大の受益者は中国

 冷戦終結後、米国は貿易や投資の自由化を進め、世界の市場を結びつけることを目指した。旧共産圏を含む新興国の労働力と効率的な製品供給網により、主要国は安価な消費財を手にし、新興国の生活水準も向上した。金融やITなどの技術革新が一体で進み、世界の姿は一変した。

 そこで最大の受益者となったのが中国である。「中国が経済を自由化すれば、その国民も主張を強める。人権や政治的自由に甚大な影響を及ぼす」。クリントン米大統領は2000年の演説で、グローバル化が中国の民主化へとつながる期待を掲げた。翌01年、米国の支持のもと、中国は世界貿易機関(WTO)に加盟した。

 中国では、改革開放が本格化…

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