福島第一の処理水放出 IAEA「放射線の影響、小さい」調査は継続

山野拓郎
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 東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出計画について、国際原子力機関(IAEA)が29日、放出方法の安全性などの調査結果をまとめた最初の報告書を公表した。処理水について「放射線の影響は、日本の規制当局が定める水準より大幅に小さいことが確認された」と評価した。IAEAは今後も調査を続け、海洋放出開始前に安全性についての結論を含む報告書をまとめるという。

 調査団は、放出に反発する中国、韓国を含む11カ国の専門家とIAEA職員らで構成し、2月に現地調査をした。

 関連設備の安全性について報告書では、起こりうるトラブルに対し「詳細な分析がなされ、設備の設計と運用手順の中で的確に予防措置が講じられていることが確認された」とした。

 福島第一原発で増え続ける汚染水は、大半の放射性物質を取り除く多核種除去設備(ALPS)に通した後、タンクで保管している。東電は、海水による希釈を含め、ALPSで除けないトリチウムの濃度を国の基準の40分の1未満にした「処理水」を海底のトンネルを使って約1キロ沖合に放出する計画。原子力規制委員会での審査はほぼ終了している。

 IAEAの調査は海洋放出前、放出中、放出後にわたって実施される。今回の報告書は一連の調査の中で最初のものになる。(山野拓郎)