西川遥輝は、なぜ1番打者なのか。石井一久監督が語った「理想」

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 楽天生命パーク宮城は、2019年9月26日以来という満員御礼の観衆で埋まっていた。

 4点差で迎えた九回。5番打者から始まった楽天の攻撃は相手守備の乱れもあり、1点を返してなお2死一、二塁。

 1番・西川遥輝が打席に向かう。

 「僕まで回ってくるとも思っていなかった。相手のミスもあって、準備して、銀次さんが代打になったときには回ってくると覚悟して、結果はどうであれ、後ろにつなぐと思って打席に入った」

 ソフトバンクのクローザー、モイネロが投じた3球目。149キロの直球をとらえた。打球は低い弾道で、一直線に右翼席へと伸びた。

 起死回生の同点3ランに、満員の観衆も、三塁側の楽天ベンチも沸き立つ。

 「誰もホームランが出ると思っていなかったと思う。僕も出ると思ってなかったです。たまたま。でも、打った瞬間に入ったと思いました」

 延長に入り、十一回。2死走者なしで打席が回ってきた西川は四球を選び、後ろの打者につなげた。そして、浅村栄斗のサヨナラ安打で熱戦は終わった。

 昨年のオフ、不本意な形で日本ハムを去り、楽天へ加入した西川だが、開幕からの活躍は、まさにリードオフマンにふさわしい。

 4月29日の段階で、打率はリーグ2位の3割2分9厘。本塁打は昨季の3本を既に超え、自慢の俊足で盗塁も七つ決めている。

 何より、「出塁しないと、何も仕事をしていないような気持ちになる」とこぼすほど、西川自身がこだわっている出塁率は、リーグ1位タイの21四球を選ぶ選球眼の良さもあり、4割7分1厘と驚異的な数字を残している。

 絶えず出塁し、攻撃の起点となる。チャンスで打席が回ってくる機会が増えた4番の島内宏明は、冗談交じりにこう言うのだ。

 「あまりにも出過ぎるので…

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