第4回ゼロ成長論は「ロマン主義」 マクロ経済学の大家が語る未来の経済論

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聞き手・土居新平
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 脱炭素と経済成長を両立させる議論が盛んな中、マクロ経済学の大家として知られる吉川洋・東京大名誉教授は「不平等を解決するためにも経済成長が必要だ」と訴える。一方で、脱成長を「ある種のロマン主義」と評する。どういうことか。企業や政府が果たすべき役割はなにか。

――資本主義における経済成長について、どう考えていますか。

 「経済成長とは、国内総生産(GDP)で表される国の経済のサイズを大きくすることだ。ある頃までは、経済成長が私たちの豊かさにつながると、ごく自然にとらえられていた。日本でいえば、高度経済成長期までにあたる。成長の結果、白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫の『三種の神器』が家庭に入ってきたときは、まさに豊かさを実感した」

 「ターニングポイントは、1970年代初頭のオイルショックのころだった。1972年には、科学者や経済学者が集うローマクラブが『成長の限界』という報告書を出した。これはある種の反成長論で、石油をはじめとする資源は有限であると訴えた。このあたりから、経済成長そのものを自己目的化する考えは薄れていったと考えている」

記事後半では、「成長に不可欠」と指摘するイノベーションを起こす上で、政府がどのような役割を担うべきなのかを指摘します。

 「ただし、その後、米国では…

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