無届けの保育園で外国籍の1歳児死亡 大人たちは何かできなかったか

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田渕紫織
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 昨年6月、愛知県内のある保育施設で、1歳5カ月の男の子が命を落とした。

 男児は、他の園児から渡されたパンを誤ってのみ込んだとみられ、せき込んだ後に倒れ、病院で約2時間後に死亡が確認された。

 この保育施設は認可外。園長は日本語が母語ではなく、運営していること自体、行政に届けていなかった。過去にも事故が起きていたという。

 事故を防ぐために、できることはなかったのか。愛知県の検証委員会が3月にまとめた報告書で明らかになったことを元に、保育現場の人や専門家と考えた。

「愛知県内でも伝わっていない」

 「この事故のこと自体、同じ県内の保育関係者にさえ、ほとんど伝わっていないのではないでしょうか」

 全国保育団体連絡会副会長で、県内で四つの保育園を運営する社会福祉法人理事長の平松知子さんは、愛知県内で昨年度まで15年間、保育園長を務めてきたが、周囲に聞いても事故の情報はほとんど入ってこないという。

 報告書によると、亡くなった子どもと保護者は外国籍だった。この保育施設の園長も日本語が母語ではなく、日本語での意思疎通は難しかった。

 園児は外国人コミュニティーのSNSを通じて口コミで集まっており、利用する親子が途絶えたことはなかったという。事故当日は、園長の孫1人を含めた7人の子どもを預かっていた。

 この園は、約10年前から昨年7月まで、園長1人が、自宅で早朝から夜まで運営。園長は、保育士資格を持っていなかった。

 報告書では、園長が設置を届けておらず、市や県が実態を把握できていなかったことが強調されている。

 昨年6月の事故発生翌日、所轄の警察署から照会があり、初めて県職員を派遣して調査をしたという。

 存在を把握できていれば、園に設置の届け出をしてもらったうえで、国の基準通りの人数の保育士を置くことや、施設の安全性について、県が改善を促すことができたとみられる。

 事故の検証報告書は、今回のように届け出をしていない施設が「一定数あるのではないか」と述べ、把握が課題だとしている。

記事後半では、大人たちが気づける可能性があった「四つのルート」を詳しく見ていきます。専門家にも聞きました。

「四つのルートで、気づける可能性があった」

 平松さんは、「報告書を読む限り、9年間開園している間に、少なくとも四つのルートで、この保育施設で子どもが置かれている環境の問題点に気づける可能性があったのでは」と話す。

 まず一つ目として平松さんが…

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