防衛研究所「攻者3倍の法則」展開 防衛費の水準に異例の言及

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松山尚幹
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 防衛省防衛研究所は31日、2022年版「東アジア戦略概観」を公表し、中国に対処する防衛費の水準として、今年度の倍近い「10兆円規模」との考え方を示した。防衛費について水準まで示して詳述するのは初めて。岸田文雄首相が防衛費の増額を表明しており、自民党内からは増額を下支えする「理論」として歓迎の声が上がる。

 防衛研究所は、防衛省の研究機関で、安全保障状況を分析する戦略概観を毎年発行している。防衛費について「日本の防衛費の相対的低下と課題」との項目で、高橋杉雄・防衛政策研究室長が執筆した。

 日中の防衛費は2000年時点で並んでいたが、20年に「1対4・1」に開いたと指摘した上で、「攻撃側は防御側に対して3倍の兵力が必要とされる」という「攻者3倍の法則」を展開。中国の国防費の伸びを考慮して「3分の1」を目安とする場合、日本の防衛費の水準について「10兆円規模になるという考えもあり得る」とした。

 さらに「中国との関係で抑止…

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    藤田直央
    (朝日新聞編集委員=政治、外交、憲法)
    2022年6月1日0時43分 投稿

    【視点】自民党国防族が防衛費の「増額の理屈になる」と歓迎するのは早計ではないでしょうか。「東アジア戦略概観」を読むと、高橋氏もいろいろ留保をつけていますし…  「攻者3倍の法則」というのは戦闘での兵力の話です。だから中国の国防費の3分の1が日本の