伝えたい沖縄の苦難 川越で4日、俳優・津嘉山正種さんが朗読劇

沖縄・本土復帰50年

永沼仁
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 那覇出身の俳優、津嘉山正種(つかやままさね)さん(78)の朗読劇「沖縄の魂―瀬長亀次郎物語」が4日、埼玉県川越市のウェスタ川越小ホールで開かれる。米軍の弾圧を受けながらも本土復帰を訴え続けた不屈の政治家に光を当てた舞台。いまだ多くの基地を抱える沖縄の苦難を問いかける。

 津嘉山さんは、1965年に劇団青年座に入団した。87年にロンドンで上演された「NINAGAWA マクベス」では主役を務め、ナレーションや洋画の吹き替えでも活躍している。

 舞台は、台本を読み上げながら演じる「ひとり語り」と呼ぶ朗読劇のスタイル。津嘉山さんは沖縄の歴史に刻まれた差別や戦争をテーマに、2008年から続けてきた。今回上演する「沖縄の魂」は、占領下の沖縄で主権回復を訴え続けた政治家、瀬長亀次郎(1907―2001)に焦点を当てた。

 民衆に支持され、「カメジロー」「亀さん」の愛称で呼ばれた一方、「米軍が最も恐れた男」とも言われた。不当な裁判で投獄され、被選挙権を奪われながらも、米国統治への抵抗運動を続けたからだ。

 土地の収奪、米兵による暴行……。米軍基地をめぐる問題点が、亀次郎の演説などを通して明らかになる。沖縄方言を交えて繰り出される言葉から、観客は沖縄が抱える「痛み」の共有を迫られていく。

 「亀次郎は沖縄のために生きた政治家だが、今の若い人は知らない。まず、こんな人がいたことを知ってほしい」と津嘉山さん。「そして、戦後50年たっても沖縄の問題が解決されていない現状について考えてほしい」

 朗読劇を主催するのは、川越市のNPO「Peaceやまぶき」。2年前に企画したが、コロナ禍で繰り延べになってきた。松尾美保子代表(80)は「本土の人は、もっと沖縄に目を向けてもらいたい。沖縄に寄り添う人を1人でも増やしていきたい」と話す。

 開場は午後1時。定員は先着100人。全席自由で前売りは2500円(当日2800円)。問い合わせは同NPO(049・265・4631)。(永沼仁)