地域の豊かさ「見える化」 仕事づくり模索も 県立大などが共同研究

松村北斗
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 人口減少が進む中山間地の地域を対象に、秋田県立大と島根県にある「持続可能な地域社会総合研究所」(藤山浩所長)が、共同研究を始める。地域の人やモノの流れ、暮らしにかかるコストなどさまざまな指標をもとに地域の状況を分析。データを地元の人々と共有して、持続可能な地域のあり方の検討や、新たな仕事づくりにつなげる構想だ。

 対象となるのは秋田県三種町下岩川地区。人口約1千人、高齢化率は45%を超える。一方で、地元の地域力推進委員会という住民グループが、地域を走るバスの運行管理や農業の共同化など、地域活性化に生き生きと取り組んでいる。着目した大学側が5月、研究への協力を依頼し、地元説明会を行った。

 研究には、持続地域総研が開発し、島根をはじめ各地で活用されている分析手法を用いる。人口の推移、地元の組織や構図、地域内の資源や経済の循環など多くの項目についてシミュレーションを行う。県立大の学生も、地域で聞き取り調査を行う。

 これにより、地域の課題を浮かび上がらせるとともに、いわば「底力」のような隠れた資源や魅力がないかデータで明らかにする。

 データは地域の人々と共有し、持続可能な地域にするにはどうすればいいかを一緒に考えていく。具体的には、人口流出を抑えながら、地域資源を活用した新たなサービスや仕事を生み出すことをめざしたいという。研究は今年度から5年を一つの目標とする。

 藤山所長は、データにもとづく地域の持続可能性の分析や助言などを全国各地で行っており、国の研究会などの委員も多く務める。農業や交通といった特定の指標について分析した事例は多いが、多角的な指標で分析するのが今回の特徴だという。

 藤山所長は「人口減少率が高い秋田は次世代の担い手確保が待ったなしの課題だ。ただ、地方創生や過疎対策は『困っているから助ける』という発想ではなく、長い目でみると持続可能性がある、と地域の人々がポジティブな見通しを持てることが大切。その根拠を積み上げたい」と話す。

 共同研究の代表を務める県立大地域連携・研究推進センターの谷口吉光教授は「データによって地域の持続可能性を『見える化』し、わかりやすい形で地域に提供したい。ただ、データは手段に過ぎない。実際に仕事をつくり、人口を増やしていけるめどがつくまで続けていきたい」と話している。(松村北斗)

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