第4回「私は、みっともない」過食嘔吐を繰り返した ミス日本、回復への道
幼い頃から、なぜか自信が持てなかった。
キラキラしたグループに入りたい。でも私、面白いことが言えないし、会話が続かない……。
あっ、きれいを保ったら武器になるかも。かわいい私なら、入れる? みんなが私と仲良くしてくれる?
国際基督教大学に通う河野瑞夏さん(21)がこんな風に考えるようになったのは、小学校高学年のころだった。
実践してみた。
「スタイルが良くて、美しい人」を心がけた。人前では、にこにこ。
作戦は成功した。
でも高校3年生のとき、油断して太ってしまった。
撮られた写真を見て、「私、太ったな」とグサッときた。軽い気持ちで、甘い物を少し控えるダイエットを始めた。
大学生になった。
もっと注目されて、友だちを増やしたい。
ジム通いと激しいダイエットのとりこになった。
ノースリーブを愛し、スポーツジムが居場所となった。
朝7時半、同居する母が起き出す頃に近所のジムに向かう。筋トレとウォーキングを終えると、大学の授業へ。
昼ご飯は0キロカロリーのゼリーとおから。午後7時から部活でダンスを踊り、また、ジムへと急ぐ。
お気に入りのウェアに着替える。もちろん、ノースリーブ。
かわいいじゃん。きょうもしっかり動けたから、あしたはもっと、スリムになっているかな。
ジムのお風呂で鏡にうつる自分をみるたびに思った。
「これをキープしなきゃ」
友達増やすためのダイエットだったのが、常に一人に
日付が変わる前後に、へとへ…
- 【視点】
食べることと、人間関係を作ることは似ています。食べることも、人間関係を作ることも、自分ではない何かを自分のうちに取り入れ、それと共に生きることだからです。 しかし、何をどのくらい取り入れ、それとどのような関係を保っていけば良いのか?こ
- 【視点】
摂食障害は、記事に表現されているように、自信の無さ、つまり自己肯定感と深くかかわります。日本は、先進国の中で「自己肯定感」が特段低い国です。内閣府の若者(13歳から29歳)を対象にした調査では「自分に満足しているか」という問いに、米、英、