「独裁者」からの勲章、返すべきか ベラルーシで活動した医師の苦悩

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清水大輔
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 旧ソ連ウクライナで起きたチェルノブイリ原発事故による被災地ベラルーシで、長年にわたり医療支援活動にあたってきた医師の菅谷(すげのや)昭さん(78)は、「独裁者」と呼ばれる大統領からの勲章を返すべきか悩んでいる。事故から36年となる今年、ライフワークとして取り組んできた同国での活動をめざしていたが、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻で難しくなった。原発事故はまだ収束しておらず、支援はまだ必要。ロシアに近い立場のベラルーシでの活動をどう継続するか。葛藤が続く。

すげのや・あきら 1943年、現在の長野県千曲市生まれ。チェルノブイリ被災地の医療支援活動のため、95年末に信州大医学部助教授を退官し、翌年からベラルーシに5年半にわたり滞在。同国のフランツィスカ・スコリナ勲章を受章。著書に「チェルノブイリ診療記」(晶文社)、「ぼくとチェルノブイリのこどもたちの5年間」(ポプラ社)。

 「まさか、そんなことが」

 医師で松本大学(長野県松本市)の学長を務める菅谷さんは信じられなかった。

 今年2月24日、ロシア軍がウクライナに侵攻。その初日にチェルノブイリ原発を占拠した。菅谷さんは事故の5年後に同原発を視察し、その後は四半世紀にわたって事故による被曝(ひばく)者への医療支援に携わってきた。「36年たっても『チェルノブイリ』は収束していない。もしもの時、どうなるか。プーチン氏(大統領)だって承知のはずなのに」

36年前の事故 いまだ収束せず

 チェルノブイリ原発事故は1…

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