EV「ブーム」で終わらせないために トヨタがサブスクで負うリスク

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聞き手・千葉卓朗
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 トヨタ自動車が5月12日に発売する初の量産電気自動車(EV)「bZ4X」は個人では買えない。毎月定額を払って利用するサブスクリプションのサービス「KINTO(キント)」だけで提供されるからだ。KINTOの小寺信也社長に狙いを聞くと「EVのリスクをトヨタが負います」と言う。どういうことなのか。

 トヨタ初の量産EV「bZ4X」は、中型SUV(スポーツ用多目的車)。個人向けには定額制(サブスクリプション)サービス「KINTO」のみで提供する。 KINTOは、個人が車を買って所有するのではなく、毎月定額を支払って利用する「リース」の一種。定額には車両代のほか任意保険や自動車税、故障時の修理費など諸費用が含まれる。利用期間は4~10年で、利用者は期間終了後に車両を返却する。

 ――「bZ4X」がトヨタ初の量産EVとして注目されています。個人向けはサブスクを通じてのみ提供する手法も、これまでにないやり方です。

 「昨秋ごろ、トヨタの社内会議で豊田章男社長が『bZ4Xは、全数KINTOで』と言い始めたんです。『EVという新しい世界にチャレンジするのだから、売り方も旧態依然にこだわるな』というのが出発点でした」

 「よく考えると、KINTOとEVは相性が良い。EVは、充電を繰り返すと電池が劣化する不安があります。でも、KINTOなら数年の契約期間が終わると車は回収されるので、利用者は劣化を心配せずにEVを使えるし、下取り価格が下がる不安もない。車両を回収できるので、電池のリサイクルも容易になる。良いことずくめなのです」

 「今までのトヨタなら、新車の販売戦略は2年以上かけて練り上げる。それが今回は、時間が半年しかなかった。突貫工事でした。今までのトヨタではありえないスピードです」

安い中古価格、EV普及の壁

――「下取り価格の不安がなくなる」とは、どういうことですか?

 「販売店は、お客さんに新車…

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