さなぎが蝶(ちょう)になるため、羽化しつつあるのだろう。
中日ドラゴンズの石川昂弥(たかや)選手(20)。4月28日、阪神タイガース戦(甲子園球場)の二回、左中間スタンドへ今季第4号となる先制の2点本塁打を放った。
勝てば殊勲の一打となったはずだが、試合は2―3で敗れた。
「今日打ちましたけど、チームが負けたので悔しいです」。満面の笑みで喜びを表す姿を見たかっただけに、残念だった。
甲子園球場は、石川昂にとって特別な球場だ。
3年前の2019年春、高校生だった石川昂は、愛知・東邦高の主軸として第91回選抜高校野球大会に出場し、計3本塁打を記録して注目された。決勝では2本塁打を放ち、チームを優勝に導いた。
甲子園球場でアーチをかけたのは、その時以来だった。
自分の打撃をものにするため、打者には見つけなければならない「何か」がある。その「何か」に、石川昂は近づいてきたのではないか。
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そう思ったのは、取材のなかで、彼の言葉の変化に気づいたからだ。
石川昂がプロ初本塁打を放っ…
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