「成功例とみられるのは絶対におかしい」 小学生で全国Vの井上康生

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塩谷耕吾
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勝利至上主義を考える

 行き過ぎた勝利至上主義が散見される――。そんな理由で、全日本柔道連盟全柔連)は小学生の柔道個人戦の全国大会「全国小学生学年別大会」を廃止した。

 2000年シドニー五輪男子100キロ級金メダルで、昨夏の東京五輪で男子代表監督を務めた井上康生さん(43)は小学生時代に全国優勝の経験を持つ。ただ、「自分が成功例として見られるのは、絶対におかしい」と声を上げる。

 ――全日本柔道連盟の廃止の決定について、どう思いますか。

 「柔道の魅力、価値を見直す非常に大きなきっかけになった。だからこそ、これから何をするかでまったく変わる。次に何をするかが重要だ」

 ――子どもにとって、全国で勝負する場が一つなくなります。

 「私も柔道をやっている子どもを持つ親。また、私自身、柔道を思いっきりさせてくれる家庭で育った。子どもにとっての勝負の魅力は十分に理解している。子どもたちがしてきた努力を披露する場があることで、彼女たち、彼らはより努力し、成長していける。そこで得た結果が、次につなげていける力になることも間違いなくある」

 「ただ、データでみると、子どもの成長段階にあった運動ができていなかった。過度な減量があったと聞くし、大人が子どもへ過度な重圧をかけていたというのも聞いている。過剰になりすぎることで、子どもの成長が止まってしまう危険性があったと思う」

「後悔している」当時なかった感覚

 ――ご自身は小学校、中学校、高校、大学、シニアとすべてのカテゴリーで全国優勝しています。

 「確かに、私は全部優勝して…

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