「神保町ありがとう」三省堂が一時閉店 古書店街の「粋」は今も

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田渕紫織
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 神田神保町1丁目1番地。「神保町のランドマーク」とも言われ、141年間、東京の同じ場所で営業してきた三省堂書店の神保町本店が、5月8日にいったん閉店します。小川町の仮店舗に移って6月に営業は再開されますが、ビルは解体されます。

 ネットですぐに本が買える時代。古書も急速に値崩れしています。それでも残る「粋」に魅了され、書店街に足を運ぶ人たちがいます。その現場を訪ねました。

 「神保町にありがとう」

 4月、本の街・神保町で最も大きい書店「三省堂書店神保町本店」には、こんな垂れ幕が掲げられていた。

 5月8日午後8時、三省堂は141年続いたこの場所での営業をいったん終える。

 店内に入ると、外山滋比古の『思考の整理学』がタワー状に積み上げられている。この店でこれまでに一番読まれた本だという。

3年後、元の場所には?

 今回なぜ、一時閉店を決めたのか。

記事後半では、大屋書房や一誠堂書店といった老舗に近年の神保町の変質や古書の値崩れについて聞くともに、神保町に魅了されて新たに出店し「居心地がよすぎる」と話す書店主にも聞きました

 経営管理部の中嶋剛課長によ…

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    高久潤
    (朝日新聞エルサレム支局長=文化、消費)
    2022年5月7日18時5分 投稿
    【視点】

    神保町は大人の砂場ーー。なるほどそんな見方ができるのか、と印象に残りました。私も、東京にいるときは定期的に神保町に通っていました。三省堂・神保町本店のみならず、あちらこちらの書店にふらふらと。 ただ、本を買ったらすぐ読みたいので、お酒

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