「平和憲法貫いて」祈る被爆女性 ウクライナに重ねる77年前の惨禍
岡田将平
ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、3日の憲法記念日を迎える。その激しい戦火は、戦争放棄を掲げる憲法9条に対する視線にも影響を与える。77年前、広島で原爆に遭った女性はどう考えるのか。
「ウクライナが大変になっている。あれを見ると原爆の時のことを思い出す。戦争は絶対いけません」
4月19日、広島市中区の篠田恵さん(90)は広島平和記念資料館で、修学旅行で来た埼玉県の高校生たちに語りかけた。2017年から「被爆体験証言者」を務めている。足が弱り、やめようと考えることもあるが、「語るために生かされている」とも思う。
1945年8月6日は、現在の中学2年にあたる広島女子商業学校2年生だった。爆心地から2・8キロほど離れた自宅にいた自身に大きなけがはなかったが、被爆後、ひどいやけどを負い、服もぼろぼろになった人たちが次々と歩いてくる姿を目の当たりにした。「地獄に迷い込んだんかしら」。そう思った。
爆心地近くに職場があった姉…