「与野党一致」聞こえは良いが 「今ここ」だけを見る改憲論の危うさ

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楢崎貴司
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 生存権をもっと広げて――。コロナ禍の現場から憲法が保障する生存権の拡充を政治に求める声があがるが、国会の憲法審査会では憲法が足元で守られているかという視点の議論は乏しい。むしろコロナ禍を機に「今の憲法では対処できない」と改憲を訴える声があがる。国家の危機に際しては政府に権限を集中させる緊急事態条項を盛り込むべきだというのだ。東日本大震災でも、ロシアのウクライナ侵攻でも、大事が起きるたびに繰り返される光景だ。

 「ウクライナの国会は有事態勢に切り替えた上で動いている。仮に我が国に緊急事態が発生した場合、国家機能維持に必要な法制度、運営体制を準備しているのか強く危惧する」

 ウクライナのゼレンスキー大統領が日本の国会でオンライン演説した翌日、3月24日の衆院憲法審査会。自民党新藤義孝・与党筆頭幹事は、緊急事態条項のない日本国憲法への憂慮を語った。この主張に、立憲民主党奥野総一郎・野党筆頭幹事は「ウクライナ危機を奇貨に、どさくさ紛れで憲法改正を行うというのではまともな議論にならない」。改憲せずとも法制度で対応できると反論する。

 憲法改正の必要はない。だからやすやすと議論に乗らない――というのが近年の野党の姿勢だった。ところが与党だけでなく、野党の一角である日本維新の会からも「議論すらしないのは職務怠慢」との批判が上がり、国民民主党も改憲スタンスを強調しだした今、野党第1党の立憲が姿勢を貫くことは難しくなりつつある。

「オンライン国会」へ解釈変更 異論顧みず多数決で

 そんななかで、ひとつの変化…

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