愛好家が発掘の化石、世界最古だった イカにそっくり、南三陸で出土
星乃勇介
宮城県南三陸町北部の歌津地区で出土した、イカそっくりの海の生き物「ベレムナイト」の化石が世界最古だったことを、東北大と広島大の研究チームが突き止めた。地層の古さから、これまで考えられていたより1千万年余り早く出現していたことがわかったという。
東北大の4月1日の発表によると、ベレムナイトはこれまで後期三畳紀の初期(約2億3500万年前)に出現したと考えられてきた。しかし同町の「平成の森」の「下部三畳系大沢層」と呼ばれる約2億4800万年前の地層で30年ほど前、仙台市在住の愛好家が化石を発掘。数年前に寄贈を受け調べたところ、新種であることが判明した。
チームの一人、永広(えひろ)昌之・東北大名誉教授(75)は「これまでベレムナイトの出現はヨーロッパだったとされてきたが、今回の発見で東アジアが起源の可能性が高まった。南三陸地域からは、今後も新たな学術資源の発掘が期待される」と話した。
化石は東北大の総合学術博物館(仙台市青葉区)で展示中で、南三陸町も模造品を置く予定だ。(星乃勇介)
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