親と離れて暮らす子に「22歳の壁」 撤廃へ動き出した国会論戦

有料会員記事こぼれ落ちる子どもたち

久永隆一
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 虐待や貧困、死別……。いろいろな事情で親と離れて暮らす子どもが全国に4万人以上います。ただ、児童養護施設や里親のもとなどにいられるのは原則18歳まで。最長でも22歳までで、本人が望んでもそれを超えてはいられません。この「22歳の壁」をなくす児童福祉法改正案の議論が国会で始まりました。どんな課題があり、何を変えようとしているのでしょうか。

打ち切られる支援

 「これまで一律22歳で打ち切られていたのが、(改正案により)年齢要件が弾力化されます」

 4月27日の衆院厚生労働委員会立憲民主党の井坂信彦氏は、今回の改正案の意義を評価しつつ、年齢制限の撤廃だけでなく、一度施設などを出た若者に対して継続して支援していく必要性を訴えた。

 施設や里親のもとを巣立った子どもや若者は「ケアリーバー(Care Leaver)」と呼ばれる。相談相手がいなかったり、保証人となる身内がおらずに家を借りにくかったりと困難に直面しやすい。

 一度社会に出た後でも、仕事を辞めた場合などに「実家」に帰るのと同じように、元々いた施設に戻って生活を立て直せないか――。井坂氏の指摘には、そんな問題意識が込められた。後藤茂之厚労相は「ご指摘の通り、縁のある施設に対応してもらうことが前提の話だ」と述べ、対策を検討するとした。

4万2千人の子どもたち

 親と離れて児童養護施設や里親、自立援助ホームなどで暮らす子どもたちは全国に約4万2千人(厚労省調べ)。親に代わって社会で子どもたちを育てる仕組みを「社会的養護」と呼ぶ。社会的養護を経験した子どもや若者は、支援環境が十分でないまま社会に出るよう強いられる側面がある。今回の改正案には、こうした子どもや若者への対応を強化するため、地域に支援拠点を整備することなども盛り込まれている。

 今回の法改正が成立すれば「…

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こぼれ落ちる子どもたち

こぼれ落ちる子どもたち

虐待、貧困、性被害……。大人がつくった支援制度からこぼれ落ち、困難に直面している子どもたちがいます。今の国会では、「こども家庭庁」の設置法案などの審議が始まり、子ども政策の転換点を迎えます。今後、子どもたちに救いの手が届くのでしょうか。リアルな声とともに伝えます。[記事一覧へ]