第91回欧州の難民受け入れ、ウクライナとシリアで差別? 専門家語る相違点

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 ロシア軍のウクライナ侵攻に伴い、大規模な「難民危機」への懸念が広がりました。実際、ウクライナから国外に逃れた難民は500万人を超えています。しかし、過去の難民問題に比べると混乱は少なく、「危機」の様相を呈してはいないようです。なぜなのか。人の移動研究で知られる米サザンメソジスト大学のジェームズ・ホリフィールド教授に聞きました。(パリ=国末憲人

 ――ウクライナからの難民は500万人を超え、2015年に100万人余のシリア難民らが欧州を陸路で北上した「欧州難民危機」の何倍もの人数になりました。ところが今回、当時ほどの大きな混乱は見られません。何が背景にあるのでしょうか。

 「15年と今回が異なるのは、ロシア軍のウクライナ侵攻が欧州にとって、何より安全保障上の危機として受け止められていることです。これを機に移動した人々、いわゆる難民も、地政学的な課題として位置づけられています」

 「このような側面は、15年にはありませんでした。もちろん当時、シリアやアフガニスタンイラクでも紛争は続いていましたが、現在のウクライナと比べると、欧州にとっての位置づけが全く異なります」

 ――つまり、欧州にとって今回の方が問題が深刻だということでしょうか。

 「ずっと深刻です。だからこ…

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