第4回自動翻訳があるいま、言語を学ぶ意味は キャンベルさんを導いた金言

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聞き手・田渕紫織
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 ニューヨーク出身の日本文学研究者ロバートキャンベルさんは約45年前、大学1年生のとき、日本の古典に出会いました。この道で学んでいくきっかけに、恩師の金言があったといいます。

 自動翻訳が発達した時代にあえて外国語や古典語を学ぶ意味とは――。米国の山中で日本語を猛勉強した日々を振り返りながら、語ってくれました。

 ――米国で大学生時代、源氏物語に出会ったことがこの道に進むきっかけだと明かされています。

 カリフォルニア大学バークリー校で1年生の時です。小説の歴史についての授業をとりました。そこで「世界最古の小説は11世紀の日本で書かれている」と源氏物語を紹介され、英訳で読んだのが始まりでした。

 ただ、背中を押したのは、実はまた別の、興味本位でとった日本美術史の授業でした。

「日本語をまずは学びなさい」

 ――その授業で何があったのでしょう。

 清水義明さんという先生の授業で、「洛中洛外図屛風(びょうぶ)」を見せてくれました。

 かすみの上から京都の街を見下ろす構図ですが、いろんな時間に起きたことがひとつの画面に構成されていました。こんな技法があるのかと衝撃を受けました。

 当時の僕は欧米の文学理論や哲学を中心に学んでいましたが、基本にある思想がまったく違うと感じました。

 魅了されて、オフィスアワーに清水先生を訪ねると、さらに驚く一言をもらいました。それが僕を大きく変えることになりました。

 ――どんな一言ですか。

 「もっと知りたいから教えて…

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