新学年が始まった各地の公立学校で、必要な数の教員が配置されない事態が相次いでいる。少人数教育の目的で配置された先生が担任に回るなどし、子どもの学習に影響が出ている。専門家は長時間労働などで教職が敬遠されていることが背景にあるとして、労働環境の改善を訴えている。(高浜行人、編集委員・氏岡真弓)
「来るはずの先生が来ないことになりました」
4月初め、東京都内の区立小学校。50代女性教諭は、職員会議での校長の説明に驚いた。教員1人が配置されなくなり、任せる予定の学級の担任が空いてしまったという。
児童の転出入の影響でクラス数がなかなか確定しなかったため、学級担任がいったん発表されたのはこの日のわずか数日前。担任を組み替えることになり、ただでさえ遅れている新年度の準備を、女性を含む担任教員はストップせざるを得なかった。
調整の結果、算数の少人数学習のため学級担任とは別に配置された産休明けの教員が急きょ学級を持つことに。担任の不在は何とか避けられたが、昨年度までと同じような少人数教育は難しくなった。
女性教諭にとって、年度当初から教員が不足する事態は初めて。図工などの専科教員や管理職を除くと、全員が担任を持つ。新型コロナウイルスによる教員の長期欠勤などもありうるため、担任以外の教員がいないのは危機的な状態だ。女性は「学校はなんとか回ると思うが、他の教員の負担は重くなる」と心配する。
都教育委員会が4月11日時点で集計したところ、都内の公立小で計約50人が不足。例年、新年度にクラス数が確定後、代役を務める臨時的任用教員の名簿をもとに確保を図るが、今年は「他に就職が決まった」などと断られ、充当できなかった。教員希望者が多いとされる東京都で年度当初から不足するのは異例だ。
こうした名簿は採用試験に不合格だった人が主な候補になるが、小学校教員の採用倍率は2倍前後と低迷が続く。担当者は「希望者が少ないことも関係している可能性がある。一刻も早く不足を解消したい」と話す。
教員希望者が多いとされてきた東京都で教員が不足し、子どもに影響が出る事態が起きています。東京だけでなく、教員不足は東北から九州まで各地で指摘されています。記事後半では、なぜこうした事態が生じるのか、打開策はないのかなどをめぐり、専門家のコメントを紹介しています。
年度途中で病休や産休 「さらに足りなくなる恐れも」
兵庫県のある公立中でも、少…