ウクライナ危機下で迎えた憲法記念日 大阪でも護憲派と改憲派が集会

高井里佳子、武田肇
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 ロシアのウクライナ侵攻が続く中で迎えた憲法記念日の3日、護憲派と改憲派の団体がともに各地で集会を開き、主張を展開した。

 大阪市北区であった護憲派の集会は、主催者発表で約3500人が参加した。ウクライナ国旗を表す青と黄の文字で「戦争やめろ」「いかそう憲法」などと書かれたポスターを手にする人で埋め尽くされた。

護憲派「軍事力に頼らない国の姿を

 コロナ禍で3年ぶりの開催となった集会には、野党の国会議員らも出席した。講演した平和シンクタンク「ピースデポ」(横浜市)の湯浅一郎代表(72)は「ウクライナ危機を利用して、世界中で軍拡に拍車がかかることが懸念されている」と指摘し、「平和憲法施行75年の今、9条に依拠しながら、軍事力に頼らない姿の一刻も早い実現をめざそう」と呼びかけた。

 主催団体を構成する「戦争をさせない1000人委員会・大阪」共同代表、米田彰男さん(71)は「憲法がある限り日本から攻撃することはないし、時の権力者も戦争を始めることができない。絶対に守らないといけない」と話した。

 大阪府高槻市から参加した田村和子さん(66)は「連日ウクライナのニュースを見て、戦争の脅威を間近に感じる。今の9条があったから、日本は戦後、戦争をしないですんだ。改憲に突っ走る社会は許せへん」と語った。

改憲派「緊急事態条項と9条改正を」

 一方、憲法改正をめざす国民運動組織「日本会議」系の団体は大阪市中央区で集会を開き、自民党日本維新の会に所属する国会・地方議員を含めた約160人が参加した。

 国会憲法審査会に加わる自民党の西村康稔・前経済再生相は講演で、ロシアのウクライナ侵攻に言及して「今の憲法には自衛隊という文字がない」と指摘し、「緊急事態条項を盛り込み、9条を改正することを最優先で進める」と述べた。日本維新の会の馬場伸幸共同代表も講演し、「2、3歳のときに着ていた服を75歳になっても着ているのが今の憲法の姿だ」と批判し、自民党に協力して改憲の議論を前に進めると述べた。

 日本会議大阪事務局の丸山公紀次長は「改憲の実現には今夏の参院選で改憲派が勝利することが重要だ」と語った。

 改憲派が東京で開いた「公開憲法フォーラム」では航空自衛隊出身の織田(おりた)邦男・元空将が登壇し、「自民党の(改憲の)提言も専守防衛が前提。憲法の精神から来るからだと。何でこれを変えないのか。そんなもので守れるんですか」と述べ、憲法9条に基づく専守防衛の方針を批判した。(高井里佳子、武田肇)