群馬高専の岩佐茜さん、科学研究で世界に挑戦

小林誠
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 前橋市の群馬工業高等専門学校(群馬高専)4年の岩佐茜さん(18)が4日、米国で開幕する10代の学生らが科学研究の成果を競う国際大会に挑む。研究テーマは、次世代エネルギーとして期待される水素の効率的な製造。着実な研究手法は国内大会で高く評価され、日本代表の一員に選ばれた。

 同校の物質工学科で学ぶ岩佐さんは、理科部の活動の一環として、この研究を始めた。現在の主な水素製造法では天然ガスを使うため、地球温暖化につながっている。そこで、「SDGs(持続可能な開発目標)」の観点から、化石燃料を使わずに水を電気分解する方法を追究。この方法は高い電圧が必要で電力コストが課題となっているが、電気分解と水溶液の化学的な性質を組み合わせ、これまでより低い電圧での水素製造に成功した。

 昨年12月の「JSEC(ジェイセック)2021(第19回高校生・高専生科学技術チャレンジ)」(朝日新聞社、テレビ朝日主催)でこの研究成果を発表し、全国から応募があった220研究のなかで、国際大会につながる最上位の8研究に贈られる賞の一つ「栗田工業賞」を受賞した。「十分に仮説が立てられた地道な研究」「考察や情熱も素晴らしい」などと評価を受けた。

 そして今月4日に米国で開幕する「国際学生科学技術フェア(ISEF〈アイセフ〉)」に、日本代表の一員としてオンライン参加で挑む。ISEFは「世界最大の科学コンテスト」と言われ、今年は約60カ国のコンテストを勝ち抜いた高校生ら約1800人が競う。

 大舞台を前にした4月27日には、東京都昭島市シンガポールにある栗田工業の研究開発拠点と群馬高専をオンラインで結び、交流会が開かれた。岩佐さんは英語で研究内容を解説し、水に詳しい同社の研究者らと活発に質疑応答が交わされた。同社イノベーション本部で研究にあたる西田育子さんからは「自分の研究の何が新しいのか、分かりやすく伝えることが大事」とアドバイスを受けた。

 「将来は海外で研究したい」という岩佐さん。「交流会での経験を踏まえ、ISEFではしっかりとプレゼンして成果を出したい」と意気込んでいる。(小林誠)