史跡保護へ地域の貢献伝える 西都原古墳群企画展

大野博
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 宮崎県西都市の西都原古墳群が国の特別史跡に指定されて70周年となるのを記念する企画展が、古墳群の一角にある県立西都原考古博物館で開かれている。古墳群としては全国で初めて本格的な学術調査の対象となり、地域の人たちの史跡保護への取り組みも先駆的だった。企画展は、それを伝える展示にも力を入れている。

 西都原古墳群は、一ツ瀬川右岸の台地を中心に、南北4・2キロ、東西2・6キロの範囲に広がる。弥生時代終末期(3世紀中ごろ~後半)から6世紀末~7世紀初頭まで長期間にわたり、様々な大きさ・形の古墳が築かれたとみられる。

 本格的な学術調査が始まったのは1912(大正元)年。その4年後にできた地元住民有志による「穂北古蹟(ほきたこせき)保存会」は、墳丘の回りに柵をつくったり、手作りのパンフレットを用意したりした。

 展示品の一つ、1928(昭和3)年に保存会が発行したパンフレット「西都原案内」の表紙は、当時では珍しいカラー刷り。手書きの精密な地図や、古墳の大きさや出土品を列挙したリストからは、地域の人たちの「古墳愛」が伝わってくる。

 こうした保護活動もあって、古墳群は1934年に国の史跡に、52年には戦後の新しい法制度のもとで国の特別史跡に指定された。

 発掘調査や整備は現在も続いている。1990年代以降は、発掘の成果をじかに見学できるスペースを設けるなど、「見せる」工夫も凝らしている。

 博物館の学芸普及担当、日高広人さんは「大正時代の調査を発案した知事や研究者たちは、ただ調査をするだけではなく、古墳や祖先を敬う心と史跡保護の重要性を熱っぽく説いた。それに応えて保護活動に貢献した地域の先達の思いは、博物館の運営を支えてくださるボランティアの皆さんに受け継がれています」と話している。

 企画展は6月12日まで。無料。月曜と5月6日は休館。(大野博)