第59回激戦地イルピン、毎日お墓を堀っても足りない 職人「これが限界」

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イルピン=金成隆一
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 ウクライナの首都キーウ(キエフ)郊外の激戦地イルピンの墓地で、これまでにないペースで埋葬が進んでいる。新しい墓標に記された命日には、ロシア軍の攻撃が激しかった3月の日付が並んでいる。

 4月28日、1件の埋葬が行われていた。遺族のイゴルさん(32)によると、3月19日に集合住宅がロシア軍の攻撃を受け、砲撃が直撃した7階に暮らす祖父(78)が犠牲になった。「窓際で壊れた窓でも修理していたのでしょう。遺体は1階で発見されました」。住民が近くに仮埋葬してくれ、1カ月以上が過ぎて、やっと本埋葬できたという。

 2時間後に始まった次の埋葬に遺族の姿はなく、友人と近所の住民ら6人が集まっていた。埋葬された男性(72)は、地下で避難生活を送っていたが、3月1日に砲弾が直撃し、犠牲になったという。参列した知人男性が言った。「地雷が残っていると言われたため、遺体を運び出せたのはつい1週間前でした」

 埋葬用の穴を掘るのは、職人だ。この地域の風習でスコップでの手作業が基本だという。縦2メートル超、横1メートルの穴を深さ1・5~2メートルまで掘る。

 「戦争以降は毎日六つ、掘っている。要望はもっとあるが、これが一日の限界です」。職人たちのリーダー、ドボリャ・ツコブさん(49)が言う。4年前からこの仕事をしているが、侵攻前は一日に掘る数は多くて数カ所だった。一つも掘らない日もあったという。

子ども、そして知人の埋葬をすることも 職人「感情を…」

 それが2月下旬から3月末ま…

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