第62回「1日6人が限界」 イルピンの男性はきょうも感情を殺して穴を掘る

ウクライナ情勢

竹花徹朗
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 そこには新しく掘られた墓が、生前の写真とともにいくつも並んでいた。

 ウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊のイルピン。ロシア軍の侵攻により亡くなった人々が連日、市内の共同墓地に埋葬されている。

 4月28日、ロシア軍の攻撃で亡くなった男性(72)の埋葬が行われていた。「毎日6人分の墓穴を掘ります。まだ、埋葬できない遺体もあるのですが、1日6人が限界です」と墓地で働く作業員の男性は話す。

 警察によると4月30日までに、イルピンも含めたキーウ州内で、ロシア軍侵攻後に1202人の遺体を収容。それでも各地の遺体安置所は埋葬を待つ遺体でいっぱいになっているという。

 「戦争前、埋葬は1日に1人か2人で、0人という日もあった。すべての人たちが戦争の影響を受けています。知り合いも埋めました」。男性は感情を殺して作業を続けているという。竹花徹朗

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