第20回「これはまずいね」国家安全保障局 中国との合弁事業阻止に働きかけ

有料会員記事

安倍龍太郎、西尾邦明 平林大輔
[PR]

 米中の覇権争いを背景に、岸田政権が今国会の成立をめざす経済安全保障推進法案は、大型連休明けの10日にも参院内閣委員会で採決される見通しだ。政策の源流をたどると2年ほど前、政府が「経済安保の典型」と危惧した企業活動があった。国家と民間の間に、どんな攻防が繰り広げられたのか。

 「これはまずいね」

 2019年12月、外交・安全保障政策の司令塔、国家安全保障局(NSS)の幹部らがひざをつき合わせていた。経済安全保障を強化する目的で翌春に立ち上げる予定の「経済班」準備室があげてきた報告に、北村滋局長(当時)は、こうつぶやいた。

 ネット金融大手SBIホールディングスが、中国の保険・金融大手の中国平安グループと合弁会社を立ち上げたという発表だった。SBIは、日本の地域金融機関のデジタル化を進めるため、先端技術を持つ平安の金融システムの導入を視野に入れていた。

 個人の資産を含め、金融機関が扱う顧客情報は膨大だ。最先端とはいえ、中国のシステムを基盤にするのはリスクが高い――。準備室の報告を受け、北村氏は「情報がそのまま中国側に筒抜けになりかねない」と危機感をあらわにし、調査を指示した。

 NSS「経済班」は翌20年…

この記事は有料会員記事です。残り2962文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【無料会員限定】スタンダードコース(月額1,980円)が3カ月間月額100円!詳しくはこちら

連載経済安保法案を読み解く(全20回)

この連載の一覧を見る