県、支援センター7月に静岡市内設置へ

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 胃ろうやたんの吸引といった医療的ケアが日常的に必要な子ども「医療的ケア児」と家族を支援するため、県は7月にも静岡市内に医療的ケア児支援センターを設置する方針を決めた。家族から相談を受けたり、関係機関との調整にあたったりして、医療的ケア児を支える拠点の役割を担う。

 県などによると、新生児への医療技術が進歩し、医療的ケア児は年々増加傾向にあり、全国で推計2万人、県内では559人に上る。ただ、相談は医療や教育など多方面にわたるため、窓口でたらい回しにされたり、そもそも相談先を見つけにくかったりするといった課題があった。

 昨年9月に施行された「医療的ケア児支援法」では国や自治体に支援の責務があると明記された。医療的ケアを行う看護師の保育所や学校などへの配置のほか、相談窓口となる支援センターの開設を都道府県に求めており、県は静岡市駿河区の県静岡総合庁舎内にセンターを設置する準備を進めている。

 県は22年度当初予算に関連予算約3230万円を計上した。センターでは専門知識のある看護師ら2人が相談にワンストップで対応し、必要な制度や窓口につなげる予定だ。そのほか、センターではケアスタッフを養成するほか、医師や介護職など職域を超えた連携を目指す情報交換会議などを開く。

 また県は、当事者家族向けの制度説明会や個別相談会などを実施。保育園などへの看護師らの配置を後押しするため、市町への助成制度にも取り組む。

 医療的ケア児をめぐっては、通院、通園、就学で家族の負担が大きいなど課題が山積している。県は「地域の支援体制を充実し、共生社会の実現を推進したい」としている。

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 〈医療的ケア児〉 人工呼吸器や胃ろうなどを使い、日常的にたんの吸引や経管栄養などの医療的なケアを必要とする児童。2015年度の「障害者支援状況等調査研究事業報告書」によると、64・6%が寝たきりだが、23・7%は一人立ちができ、子どもにより必要なケアは異なる。医師や看護師などの有資格者か保護者でないと医療的ケアができず、保育園の入園が認められなかったり、保護者が学校に付き添うよう求められたりしてきた。