先月23日。預金口座を開いている米国のネット銀行から1通のメールが届きました。
「グッドニュース! 口座の金利を上げました。新しい金利は年0.60%です」
もともとの預金金利は年0.50%だったので、0.10%幅の引き上げです。「ゼロ金利」が定着した日本でずっと暮らし、昨年、米国に赴任したばかり。ほんの少しですが、自分の口座の預金金利が上がるのは新鮮な思いがしました。
いったいなぜ、日本ではなかなか起きない預金金利の上昇が米国では起きたのでしょうか。その秘密は、米国の中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)が4日決めた「利上げ」にあります。約40年ぶりの高い物価上昇や、20年ぶりの1ドル=130円台の円安ドル高、今年に入り一時10%ほど下落したダウ工業株平均など、記録ずくめの状況とも密接に絡む「利上げ」について記者が解説します。
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――そもそも「利上げ」とはなんでしょう?
FRBが4日、「政策金利」を引き上げました。これが「利上げ」の代表例です。政策金利は、FRBや日本銀行のような中央銀行が物価を安定させるために定める金利の目標をさします。
世の中には、住宅ローン金利…
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