職場で疑問や違和感を感じたとき、あなたは本音を言えますか。言いたいのに、言えない人が多いのはなぜでしょう。新しい環境になじめない「5月病」が気になる時期。自分の考えをスムーズに周囲に伝え、ストレスを減らすヒントを考えます。
50分の昼休憩。なぜ30分しか休めないのか。静岡県の30代女性は派遣社員として働く工場で、もやもやした気持ちを抱えてきた。
クリーンルーム内の作業で、作業服を着脱するため、休憩時間のうち休めるのは35分ほど。だが、定刻の3分前に戻ると周囲は既に作業を始めていた。「5分前には戻って」。上司の言葉に耳を疑った。
記事後半では、法学者の谷口真由美さんが理事を務めた日本ラグビー協会の組織について振り返ります。「意見を述べると疎まれる、そんな組織に未来はあるのか」と問いかけます。
周りは自分よりも勤務歴の長い人ばかり。おかしいと思ったが、言えなかった。「上司は気が強く、言いづらい雰囲気。波風を立てるのは嫌だ」
以来、慌ただしく昼食を済ませて5分前に戻っている。疲れがとれにくく限界を感じ、派遣元に勤務先の変更を申し出た。「言いづらいことを気軽に伝えられる仕組みがほしかった」。上司の上司に届く匿名の意見箱があれば利用したかもしれない、と女性は話す。
朝日新聞「#ニュース4U」を通じて、職場で疑問や違和感を言葉にできるか尋ねたところ、「我慢している」といった声を中心に、50件以上の投稿が寄せられた。「あきらめている」「情けない」「疎まれた」とつらい状況がうかがわれる言葉が並ぶ。
「本音を言えないことは、多くの人の悩みの大元にある」。関西圏の約30社の産業医として、月100人ほどと面談する精神科医の井上智介さん(36)は、そう話す。
気持ちを抑え込むストレスは…
- 【提案】
「心理的安全性」は有名な概念ですが、これを語るのであれば、それを醸造したり、喪失させたりする組織の構造と併せて語る必要があるでしょう。日本の組織に「心理的安全性」がないわけではないからです。 「そうでないと、日本は「A」がないからダメ
- 【視点】
会社で本音なんて言ったら、それこそ上司からの反応や反動で、黙っているより日々のストレスが溜まりそうです。だからみんな言わないわけで。組織においてはトップの耳に入らない本音は、ひらめ上司によってただの不満やわがままとして処理されて、組織にも個